ORIGIN WORKSオリジンワークス

ORIGIN WORKSココロの道具、モノの命。

HYODの原点であるレザー。そのレザーの良質なプロダクツを生み出すために、自社に優れたクラフトマンを集め、ハンドメイドする。HYODの“ORIGIN WORKS”は、現場第一のモノ作りを継承する少数精鋭のファクトリーだ。「人が人のために」モノを作る。これはHYOD創始者、故兵頭満昭がよく口にした言葉だ。最新の技術やマテリアルも、作り手が発想しデザインし、思いを込め製作してこそ、着る人のためになる。作り手には1着1着に責任がある、相手が有名だろうと無名だろうと、こうした理念や方針が変わることはない。

ROMAN BLACKはレザー
スーツから生まれた
だから同じ所で同じ人間が
作るのが自然だ

レザースーツとROMAN BLACKはここから生まれる。なぜならHYODの場合、レザージャケットのパターンなど基本(運動性・安全性・フィット性など)はレザースーツからで、だから同じ所で同じ人間が作るのだ。ここがファッションアイテムとは大きく異なる。レザースーツは契約ライダー用も、一般のライダーのモノも、ここで製作される。レザースーツは数百のパーツで構成され、パーツによっては協力メーカーから届けられる(D3O®がその1例だ)。ROMAN BLACKはその反対で、パーツ数は少ない。そのかわりに1点のレザーが持つ役割が大きい。レザーはそれこそ1頭の牛の個性がそのまま表れる自然のマテリアル。同じモノはない。できるだけ同じ上質なモノを厳選する。ここで要求される選ぶ目、製作する技術はとても高い。

膨大なデータと経験からデザイン・設計する
重要なのはココロと手で発想することだ

ツクる。正確に言えば、発想・デザイン・試作・テストを繰り返し、納得できれば製品にしていく。こうしたリサーチ&デベロップメントを繰り返し、同時にこれらを密に行うことが、プロダクツを作る集団には欠かせない。レースと同じで、成功よりも失敗の方が遥かに多いし、手間も時間もかかる。ORIGIN WORKSの一角には、転倒後のレザースーツが数多く並んでいる。ほとんどがリペアを待っている。どのように転倒し、こうしたダメージを受けたのか? ライダーの怪我は? これ以上貴重なデータはない。そしてここから新たなモノを創造していく。こうしたデザイン・設計した結果の1つが、レザースーツのキセイ33サイズ、ROMAN BLACKキセイ22サイズ。ハンドドローイングもCADも手段の1つに過ぎない。原点は作り手のココロと手にある。

レザーウエアにはハンドメイドが最良の方法
技術に加えて気遣いの作業ができるからだ

レザーは、実は扱いにくいマテリアルだ。結局、ロボットではなく人間が縫っていくしかない。クリーンな室内には熟練のクラフトマンがいて、ワークテーブルとミシンが並んでいる。クラフトマンは人間だから、高い技術を持っていても1人1人個性がある。正確に言えば、クラフトマン毎に仕上がりは微妙に違ってくる。もちろんHYODの高い基準を満たした上でのことだが。契約ライダーによっては、クラフトマンを指名してくる。そのライダーの好みを良く知るから、データにはない微調整を行うからだ。これは技術ではなくて、人への気遣いという心の作業。そしてROMAN BLACKには、レザースーツとは異なる技術や気遣いが必要になる。作るだけではない。リペア、クリーニングも行う。永く安全に、そして愛されるためだ。だから良質なレザーウエアを扱うには、やはり人間の手が今のところ一番適している(たぶん、これからも)。

レザーウエアにはクラフトマンとライダーの
ココロを通わせる何かがある

人間の心は豊かで、人間は多様だ。ライダーとクラフトマンには、モーターサイクルとライディングウエアを介して通ずる一念がある。技術と心で作ったモノの意味だ。ORIGIN WORKS が存在するのは、そのことをしっかり守り続けるためでもある。クラフトマンの技術・センス、そして心を継承していくことは実は難しい。名匠1人では、メーカーとして未来に向けて良質なレザーウエアを提供していく責任を果たすことはできない。集団として継続し現場主義を貫く。レザースーツはモータースポーツに身を置くライダーを守り、心ゆくまでこの世界に挑み続けられるように、ROMAN BLACKは生涯自分の第2の肌として使い続けられるように願い、作る。そして着てみると、心を通わせる何かがジワッと伝わってくる……と信じている。